SAABとの別れ、Cadillacとの出会い |

ドライバー30数年の歴史の中で、唯一所有したカブリオレで、オープンエアーの醍醐味を満喫させてくれた白い北欧の美人だった。家族には「狭い」「人も荷物も乗せられない」など悪口雑言をたたかれながらも、9年半以上も私の道楽に付き合ってくれた。本当にこの車には数々の思い出が詰め込まれているように思う。
エンジン絶好調。特に修理が必要な個所もない。まだまだ元気に走ることは可能なのだが、初登録から13年経ち、毎年の自動車税が1割アップし、この時点で140,000kmを走破しており、あと1-2万km走ったら、ブッシュ類や燃料ポンプなど交換が必要になる。
周知の通り、SAAB社破綻以降リプレース・パーツが入手し難くなり、単価も値上がりしている。それでは高年式の代替車は?といえば、我が愛車以上にパーツが手に入らないという事情など、考えれば考えるほど気が滅入る状況になって来た。
更には追い討ちをかけるように、私自身の体力も続かなくなり、ここ1-2年はSAABを運転した後ぐったりするようになった。「そろそろ楽チン車を考えるときなのかも・・・」と思い出した矢先、家の事情から「人」「物」の載せられる車のニーズが強くなリ、経済面からも強い向い風が吹き始めたのである。
自分の中ではかなりの紆余曲折を重ね、後継車のターゲットが決まったのは6月に入ってからだった。7月に入り値段的にも、年式、走行距離などもほぼ希望に合う1台が出てきた。それが当ブログの「豊田、名古屋観光」で紹介した「Cadillac CTS Sport Wagon」である。
後継車が決まったら、可哀そうだがSAABには場所を空けてもらうしかない。行き先を色々探した結果、SAABの主治医だった「achar」で引き取ってもらい、次の嫁ぎ先を探してもらうことになった。
この日我家を出て行くSAABは、相変わらず元気な後姿を見せて行ったのだった。
2013年8月8日
7月末には納車予定だった、後継車「Cadillac CTS Sport Wagon」が我家にやって来た。契約時に頼んだ希望ナンバーの手続きを忘れた中古車ディーラーが、ナンバー付け直しをするため、納車がこの日まで遅れたのである。
我家の前に停められた「Cady」こと「Cadillac」は、正に「派手!」「デカイ!」という印象だった。しかし、その赤いボディは光り輝くように綺麗で、これまでの白いSAABのボディとはまた違った魅力を感じさせた。
新参者の「Cady」のプロフィール(概要)は次のようである。
・年式: 2011年型
・グレード: プレミアム
・排気量: 2997cc
・エンジン形式: V型6気筒 DOHC
・最大出力: 273ps/7000rpm
・最大トルク: 30.8kg-m/5700rpm
・使用燃料: 無鉛レギュラー
・全長/全幅/全高(mm): 4870/1850/1470
・車両重量: 1870kg
・タイヤサイズ: 235/50R18
・車色: Crystal Red

燃費はカタログ値「JC08 8.4km/L」だが、実際は市街地5-6km/L、高速は11-12km/Lといったところ。やはり車重がヘビーなのが効いているのではないだろうか。燃料タンク容量が66Lと、最近のアメ車の傾向に沿っているが、できれば70-75Lは欲しい所だ。しかし、75L満タン状態では、車重が益々重くなるので、結果的には燃費に大きく影響するのかも知れない。66Lはギリギリの選択なのかも。。。
日本車の影響を受けているように思えてならないのが、各種装置がテンコ盛りになっていること。オートライト、オートワイパー、セキュリティなどアメ車にしては付け過ぎの感も否めないが、付けるなら付けるでもう少し使いやすくして欲しいと思われる装備群でもある。
オートライト:デフォルトでオートライトに設定され、マニュアル操作も可能。但し、センサーの感度が悪く(そういう設定?)、下手をするとトンネルを出てからライトが点灯する間抜けな状態になる。
オートワイパー:間欠でも良いのでスイッチを入れないと動作しないということだが、作動しているのか否かがはっきりしない。フロントガラスに付けられたレインセンサーは、かなり巨大だが、辛うじて運転手にはルームミラーの影になって視界の邪魔にはならない。
セキュリティ:キーレスキーを持っているだけでドアの開閉やエンジンのスタートなどができるのは良しとして、室内に同乗者が残っている状態でキーを持った運転手が車を離れると、セキュリティの警報が鳴り始める。同乗者が車に残る場合は、キーを車に残して置かなければならないらしい。
その他、訳の分からない音が色々な時に鳴り出して慌てさせられる。甘えん坊の我家の猫が、夜中でもミャー、ミャー鳴くのと似たような状態だ。(汗)
旧車に慣れた人間が、最新鋭の装備テンコ盛りについて行けないのが悪いといえば悪いのかも知れないが、この状態に慣れるのはまだまだ先になりそうだ。