腰越から白旗-義経ゆかりの地探訪- |
以前から行って見たいと思っていた”源義経ゆかりの地”である「腰越」(神奈川県鎌倉市)と「白旗」(同県藤沢市)を巡って来た。私の個人的な趣旨から言えば、「ゆかりの地探訪はドライブを兼ねて行く」のが原則だが、流石に当地、特に腰越辺りから鎌倉付近に至る湘南の海岸線は、海岸通り(R134)沿いを除いて駐車が難しい地区である。しかし、幸いなことには腰越も白旗も鉄道駅から直ぐの所に目的地が点在していた。しかも、腰越駅は昔から興味を引かれていた「江ノ電(江ノ島電鉄)」の駅でもあったことから、今回は江ノ電鉛線の駐車場に車を停め、鉄道&徒歩で探訪(散策)を行うことにしたのだった。
当初、駐車場は何処でも良いと思い、江ノ電鎌倉駅付近を考えていた。しかし嫁様の強い指示により、” 1日駐車代プラス江ノ電乗り放題”の特典付き駐車場を選ぶことにしたのであった。この駐車場「パーク&ライド」或いは「パーク&レールライド」の看板のある駐車場で、江ノ電のHPによれば、由比ガ浜から七里ガ浜の間に数カ所ある。値段は1,500円から1,800円と駐車場により少々幅があるが、とにかく正規料金よりは遥かにお得には違いなかった。
電化はされているものの、未だに単線の江ノ電。本数も1時間に数本位だろうと高を括っていたが、思いの他の本数が走っていることを知り大いに驚いた。流石は観光地鎌倉、湘南を走る鉄道である。
稲村ガ崎の駅から腰越まで乗車したが、この路線、結構生活路線と言うのだろうか、通勤通学や買い物などの地元民の利用が多い。観光客メインの路線と思い込んでいた私の認識不足に反省しきりであった。
腰越には8:30頃着いた。最初の目的地は源義経ファンには有名な「腰越状」が保存されていると言われる「万(満)福寺」である。早速寺に向うと、拝観は9:00からとなっていた。30分ほど何処かで時間調整が必要だ。折角なのですぐ近くの浜に出て見ることにした。
この日は正に「天気晴朗なれど波高し」。当然ながら風も強しで、浜辺の砂が顔面に吹き付けることも頻りであった。
浜辺で数枚の写真を撮ると、直ぐに引き返し、今度は腰越の街を少しばかり歩いてみた。まだ時間が早いせいか、多くの店はシャッターを閉めたままだが、看板を見ていると「しらす丼」などの「シラス料理」の看板が目に付いた。湘南地区はシラスの名産地だったのである。また、蕎麦屋も思いの外多いように感じた。
江ノ電はこの腰越駅から藤沢方向に向かって路面を走るようになっていて、商店街の道の中央を車と一緒に走る姿が見えた。
そうこうしている内に時間は9:00に近付き、再び寺に向うことにした。江ノ電の踏切を渡ると直ぐに「万福寺」の参道(階段)があり山門が見える。
本堂直ぐ脇に拝観受付がありそこで拝観料200円(大人)を払い、「腰越状」の展示されている玄関ロビーのような所に進むこととなる。こじんまりとした造りの建物の中を一通り見て、寺を後にしたのは30分位経ってからだった。
再び腰越駅に戻ると、5分ほどでやって来た藤沢行きの電車に乗った。藤沢では小田急江ノ島線に乗換え、1駅先の藤沢本町駅へ向った。
今回の第2の目的地は「白旗神社」で、ここは祭神に「源義経」を祀ると同時にその伝承にまつわる幾つかの碑もあった。
その中の1つ、奥州衣川で自刃した義経の首級が、弁慶のそれと同時に鎌倉に運ばれた後、腰越の浜に捨てられ、その後2つの首が白旗の地に流れ着いたとされる伝承から、義経の首を洗ったとされる「伝源義経首洗井戸」に先ず向い、その後「弁慶の首塚」、そして最後に「白旗神社」を訪問したのだった。
白旗神社を後にして、再び藤沢本町の駅に戻ると小田急に乗り、藤沢で江ノ電に乗換え、愛車を置いた稲村ガ崎の駐車場に戻ったのは11:00頃だった。駐車場は、朝駐車した時点では他には1台も停まっていなかったが、帰りは5-6台の車が増えていた。相変わらず浜辺の風が強く、愛車は完全に塩分を十分に含んだ海の砂で塗れていた。砂で前が見え難くなったフロントガラスをワイパーでどけるようにすると、砂がガラスを流れるほどの状態に少し驚かされた。
駐車場を出ると、目の前を走るR134を鎌倉方向に向かい、鎌倉駅の方から藤沢方向に戻ることにした。鶴岡八幡宮の脇を北鎌倉方向に向かうのが、本来の正規ルートと言えるかも知れないが、かなりの渋滞に巻き込まれるのは必至なのでそれを避けるためにわざわざ藤沢方向に戻る形をとったのである。しかし、藤沢に近付くに連れ渋滞が始まり、藤沢を抜けても大した変化を感じないまま、何とか帰宅したのは15:00過ぎとなっていた。
鎌倉からの帰宅で、4時間程かかったのは初めての経験だった。